あまちゃんのうに丼も食べたいが私はもっと感動飯を食べた

あまちゃんロスにはならないが
あまちゃんがおわってもいまだ果てない欲望の対象は
あの「うに丼」である。
なつばっば達が、海からとって蒸して電車や喫茶リアスで売ってるあれ。

近所のスーパーのお弁当特集ではまずお目にかかれない。
おそらく都心の駅の老舗百貨店あたりまで繰り出せば「なんたらフェアー」とかで
ウン千円もだせばうっすら積もった粉雪のようなカピカピの飯の上に
ウニらしきものが乗ったなんやらをたべられるかもしれない。
でも、それはやはりあのうに丼の味ではないだろう。

もはやブームに乗って軽快なオープニング曲がごときステップを踏みながら
東京から久慈市までいかずにはならないとこまでせっぱつまっている。

しかし私はあのドラマの登場人物のように気軽に東京と岩手を往復なんてできない。
だいたいB’zが好きなのに日産スタジアムは隣の県だというだけでくじけたし
憧れの「ダイオウイカ展」も最終週にやっと重い腰を持ち上げ
行ったもののその2週間後には
「はて?最近すっごく長い列に並んでなんかみたけど何でどこだったっけ?」
と深く暗く冷たい深海で光をみつけるように直近の記憶さえおぼろであやうい脳の持ち主なのだ。

しかし、その脳みそにびりびりくるよな食べ物を家のリビングで食べられるとは思わなかった。

私がパートから帰るとなにやら長男が台所で作っていた。

「インスタントラーメンかな?」思いつつ
「母さんにも」と注文。

でてきたのはなんとかつ丼。

カツは生協宅配の10個パックの冷凍もの。
それをめんつゆを薄め丼たれを作り卵をおとしたものだ。

長男はかつ丼が好きだ。
小学校3年のとき
「卵の白身のトロッとしたところがうまい」と作文に書き
学級作文集にのっていた。

だから、ベタだろうが消化によくなかろうと
彼の初めての高校受験の日も朝からかつ丼で景気づけた。

彼は緊張してたか定かでないが
母は緊張していた。
彼が受験票を持ったか便通はあったか消しゴムは
「ゲキ落ち君」などもってないかなど無駄なと質問をして
送り出した後、食べた彼のかつ丼ののこり汁をなめてみたら
丼たれを希釈せずに使っていたと初めて気づくぐらいだから。

「血中の塩分濃度があがると脳にどんな影響をおよぼすか?」と
高校受験にでそうででない問題で自問自答しながら
もんもんとしていたが、結果合格したから
「問題なし」だ。

とにかくかつ丼を語らせればいくつでも無駄な話はかけそうなので
今回の趣旨にもどる。

そのいつものなんてことのないかつ丼を長男が作ってくれ
それを2人でたべた。

黙って食べる。
彼は1歳半検診3歳検診と言葉でつまずき
17歳になるいまでも寡黙な青年だ、
だからうまくもまずくもいつも黙ってたべる。

私も黙ってたべる。
それが日常。

「味、濃くない?」
長男がしゃべった。

3日に片歯しかみせない(そのくらい男はしゃべらない)のが
昔々の日本男児の旨とされた時代なら、間違いなくエリートだったろう我長男。

「うん。ちょうどいいよ。」
あたまがジンときた。

「おいしいよ。」
うつむいてムシャムシャ食べる。

うまいとかまずいとかとかで感動したわけでなく
人は思いがけないところ思いがけない語りかけをされると
言葉に窮し、ただ照れながらその感情を隠して
一人長くジーンとしていたいものである。
私だけか。










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